研究実績の概要 |
目的 1: 血中ESCC早期診断miRNAパネルの同定 (1)ESCCと正常組織のmiRNA発現を比較した3つのRNA-Seqビックデータ(TCGA, GSE55856, GSE43732)を解析し、共通して4つの基準(①Adjusted P-value<0.05 ②log2FC>0.5 ③AUC value>0.7 ④Up-regulated miRNA)を全て満たす18種のmiRNA(18-miR)を同定した。さらに、ROC曲線を用い、18-miRパネルは癌をほぼ100%(AUC=0.98, 0.99, 0.98)の精度で診断できることを3つのデータベースで示した。(2)早期ESCCの血清エクソソーム(n=50)、健常者の血清エクソソーム(n=50)、同じESCC症例の癌組織(n=50)とペアの正常組織(n=50)を用い、miRNAを抽出後、18-miRパネルの各miRNA発現をTaqMan real-time PCR(qRT-PCR)法にて測定した。血清からのエクソソーム精製は超遠心分離機を用い超遠心分離法で行った。(3)早期ESCCに特異的なmiRNAパネルを同定するために、18-miR のうちESCC組織と血中でも共通して有意に高発現するmiRNAを血中ESCC早期診断miRNAパネルとした。 目的 2: 数理学的手法に基づいたESCC早期診断モデル式の構築 (1)共同研究施設から得たアジア人の独立コホート①: 血清(ESCC:60, 健常:60)を用い、最終miRNAパネルそれぞれのmiRNAの発現をqRT-PCR法にて測定した。(2)多重ロジスティック回帰分析による ESCC早期診断モデル式: Logit(p)=b0+b1X1+b2X2+b3X3+. . . +bkXk (Coefficients: b0, b1, b2, ... , bk)を作成した。
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