本研究では、TGR5アゴニストとDPP4阻害薬を併用し、糖尿病条件下での肝線維化抑制効果を基礎的に検討した。2型糖尿病ラットであるOLETFにブタ血清を腹腔内投与し、糖尿病存在下での肝線維化モデルを作成した。同時にTGR5アゴニスト(TGR5)、DPP4阻害薬(DPP4)を単独、併用投与した群を作成した。対照群に比べ、各単独投与群ではインスリン抵抗性、感受性が改善し、肝組織では肝脂肪化の改善とともに、脂質過酸化マーカーも有意に低下していた。また両群において、肝線維化が抑制され、肝線維化マーカーのmRNAレベルが有意に低下していた。これらの改善効果は各単独投与群に比べ、併用群で顕著であった。
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