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2021 年度 実施状況報告書

自走式カプセル内視鏡による全消化管内視鏡観察への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 18K15829
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

太田 和寛  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (50802526)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードカプセル内視鏡検査
研究実績の概要

研究は既に論文を作成し、公表済み(Ota K, Kojima Y, Kakimoto K, et al. Safety, efficacy, and maneuverability of a self-propelled capsule endoscope for observation of the human gastrointestinal tract. Endosc Int Open. 2021;9(9):E1391-E1396)。内容は以下の通り。

これまで、自走式カプセル内視鏡で、犬の生体胃内の観察を行ったことを報告し、健常者においても全消化管の観察を特定の健常者で複数回試みながらプロトコールを改訂していき、その結果を学会等で報告を行ってきた。これまでの研究において、特に有害事象はみられていないが、その安全性と有用性に関しては未だ不明な点が多い。そこで、客観的な評価を行うために、複数の健常者を対象に一定のプロトコールでの全消化管の観察を目的に、自走式カプセル内視鏡の有用性と安全性を検討した。
被験者5名に磁場の副作用は確認されなかった。自走式カプセル内視鏡を使用しても、被験者に粘膜の損傷は認められなかった。胃の観察に予想以上に時間がかかった場合、飲み込んだ唾液によって視野が狭くなることがわかった。幽門部は非常に移動しにくく、内視鏡のフィンが小腸や大腸のひだに引っかかることもあった。
各臓器の通過時間の中央値は、胃 84分、小腸 194分、大腸 93分であった。各臓器の洗腸度はいずれもExcellentであった。
既存の自走式カプセル内視鏡の問題点を解決するためには、薬などで消化管内の環境をコントロールすることが必要になるかもしれない。今回の成果は、他の研究者が体外から制御可能なカプセル内視鏡を開発し、リアルタイムで観察できるようにするための指針となると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年2月より臨床試験が開始となったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月より中断となっている。新型コロナウイルス感染拡大が鎮静化するまで臨床試験再開の目途が立たない。現段階での研究を実施した症例をまとめて論文を作成し、Endoscopy Internatinoal Openに採択された。
臨床試験は行えていないが、上記研究を参考に、さらなる自走式カプセル内視鏡の改良を行っている。薬事承認申請中であり、今後は新たな自走式カプセル内視鏡を用いた臨床試験も計画中である。

今後の研究の推進方策

ヒレによる駆動が今回の自走式カプセル内視鏡の特徴でしたが、新型自走式カプセル内視鏡はヒレが無くても自走可能となっております。すでに胃の模型などで、実験を行っており、薬事承認後に臨床試験を行う予定としております。この新たな研究で、必要に応じて次年度使用額を使用する予定としております。

次年度使用額が生じた理由

掲載された雑誌の掲載料が約20万円ほどでしたが、論文内容が評価され、掲載料を無料にしていただきました。これにより次年度使用額が生じました。次年度使用額は、新型の自走式カプセル内視鏡における開発に必要な資金の一部として使用予定です。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Safety, efficacy, and maneuverability of a self-propelled capsule endoscope for observation of the human gastrointestinal tract2021

    • 著者名/発表者名
      Ota Kazuhiro、Kojima Yuichi、Kakimoto Kazuki、Nouda Sadaharu、Takeuchi Toshihisa、Shindo Yasunori、Ohtsuka Yoshitake、Ohtsuka Naotake、Higuchi Kazuhide
    • 雑誌名

      Endoscopy International Open

      巻: 09 ページ: E1391~E1396

    • DOI

      10.1055/a-1507-4540

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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