研究課題/領域番号 |
18K15834
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
齋藤 晶理 北海道医療大学, 予防医療科学センター, 講師 (40735502)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナチュラルキラーT細胞 / 心筋炎 / 薬剤性心筋障害 |
研究実績の概要 |
心筋炎は未だ予後不良である拡張型心筋症の原因となりうることが知られている。ナチュラルキラーT(NKT)細胞は、体内の様々な部位で炎症惹起・抗炎症性サイトカインのバランスを調整する「炎症調整細胞」として機能している。本研究は、NKT細胞の心筋局所での機能低下が心筋炎の進展に重要な役割を果たしており、NKT細胞を活性化することで心筋炎および心筋炎後心筋症の発症・進展が抑制できるという仮説を検証し、その新規治療法を開発することを目指すものである。 本年度は前年度に引き続き実験的自己免疫性心筋炎モデルマウスの作成に取り組む一方で、同様に心筋炎症を惹起する薬剤性心筋傷害モデルにおけるNKT細胞の果たす役割について検討し、成果をまとめて発表した。実験的自己免疫性心筋炎モデルについては作成したモデルが安定せず、詳細な条件を検討しながら引き続き安定したモデルマウスの作成を継続していく。 一方、薬剤性心筋障害モデルにおいては、ドキソルビシン誘発性心筋障害マウスモデルにおいて、NKT細胞を特異的に活性化するαーガラクトシルセラミドを投与することで、心筋障害の伸展が抑制できることを新たに見出した。また、その過程においてT細胞やマクロファージなどの炎症細胞が関与しており、IL4やIL-10などのTh2サイトカインがその抑制に重要な役割を果たしていることも確認された。これらの成果を共著者としてまとめ公表した。 引き続き、実験的自己免疫性心筋炎モデル作成に取り組むとともに、心筋炎症におけるNKT細胞の関与についての検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心筋炎症が関連する薬剤性心筋障害モデルにおいてNKT細胞を活性化することにより心筋障害が抑制できることをまとめた成果を公表した一方で、実験的自己免疫性心筋炎モデルの完成および詳細な解析には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、実験的自己免疫性心筋炎モデルの安定した作成に取り組み、病理学的また免疫学的手法による詳細な解析を継続する。また、薬剤性心筋炎モデルについては国際学会などで引き続き成果の公表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行が予定よりも遅延しており翌年度も延長の申請を行い受理された。また、3月に参加予定であった学会がコロナウイルス感染拡大の影響で延長となり、翌年度に延期された。引き続きモデル解析にかかる物品費および成果公表のための旅費に使用する予定である。
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