本研究では高安動脈炎患者のゲノムワイド関連解析で明らかになった変異型MLX遺伝子のノックインマウスを作成し、野生型マウスとの比較により病態解明を目指した。CRISPR/Cas9システムを用いてノックインマウスを作成した。HE染色では刺激を行っていない変異型MLXノックインマウスの血管断面積は同週令の野生型マウスと比較して有意に増大していた。大動脈壁は肥厚しており、リンパ球の浸潤や弾性繊維の断裂を認め、血管周囲のリンパ節腫大を認めた。また、大動脈周囲の褐色脂肪組織の増大、大動脈弁組織の肥大、小腸パイエル板の肥厚、大腸平滑筋の腫大という特徴がみられた。
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