アセチルコリンエステラーゼ(Acetylcholinesterase, AChE)は、神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素として広く知られているが、近年、神経伝達に関与しない組織や細胞でも発現していることが発見され、その機能の再考が求められている。本研究において、AChEのスプライシングバリアントのひとつであるAChE-Rの心臓における発現、および虚血ストレスに応じた発現増加が見出された。さらに、遺伝子導入によるAChE-R過剰発現は、虚血ストレスによる細胞死を抑制することが明らかとなった。以上の結果より、心臓AChE-Rは虚血ストレスに対して細胞保護作用を有することが示唆された。
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