駆出率の低下した心不全動物では正常動物と異なり、交感神経賦活化により短時間で著明な肺うっ血をきたし心拍出量を低下させた。この結果により交感神経賦活化が直接的に急性心不全発症に寄与していることが明らかになった。また心不全動物では正常動物と比較して収縮能が低下しているのみならず、交感神経賦活化により収縮性の増強が乏しいことが明らかとなった。正常動物および心不全動物では交感神経賦活化により同様に後負荷は増加した。収縮能が低下した心不全では後負荷増加によりうっ血を助長し心拍出量が低下することが知られており、心不全増悪に寄与していることが示唆された。これらの知見は急性心不全への新規介入法開発につながる。
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