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2021 年度 実績報告書

新規サーチュイン、Sirt7の動脈硬化進展に果たす役割と分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15852
研究機関熊本大学

研究代表者

木村 優一  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70802073)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードSirtuin 7 / 血管病 / 新生内膜 / 血管平滑筋細胞 / 細胞周期
研究実績の概要

本研究において血管病の進展におけるSirt7の役割を明らかにするため、Sirt7ノックアウトマウスを用いてワイヤー血管障害モデルを作成した。Sirt7ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、血管障害28日後の新生内膜の増生が有意に抑制されていた。この表現型は平滑筋細胞特異的Sirt7ノックアウトマウスでも同様であったため、我々は血管平滑筋細胞(VSMCs)に着目し、細胞実験を行った。その結果、まずSirt7ノックアウトマウス由来のVSMCsでは、野生型マウス由来のVSMCsと比較して血清刺激による細胞増殖が抑制され、種々のCyclinやCDK(cyclin-dependent-kinase)ら細胞周期関連蛋白の発現が有意に低下していた。CDK2は細胞周期制御の中心因子であるが、Sirt7ノックアウトマウス由来VSMCsでは、CDK2蛋白の発現が著しく低下している一方、CDK2の発現を負に制御する、マイクロRNA 290-295の遺伝子発現量が有意に増加していた。
以上の結果から、Sirt7がマイクロRNAを介してCDK2ら細胞周期関連蛋白の発現を制御し、VSMCsの細胞機能を制御している可能性が示唆された。
この研究結果を、昨年2021年にCirculation journal誌に報告(Circ J. 2021 Nov 25;85(12):2232-2240.)した。同論文はCirculation Journal Award 2021 Experimental Investigation部門 最優秀賞を受賞し、2022年3月12日 web開催された第86回日本循環器学会学術総会において記念講演を行った。
Sirt7が今後血管疾患に対する新たな治療選択肢となりうることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Sirt7 Deficiency Attenuates Neointimal Formation Following Vascular Injury by Modulating Vascular Smooth Muscle Cell Proliferation2021

    • 著者名/発表者名
      木村 優一
    • 雑誌名

      Circulation journal

      巻: 85 ページ: 2232, 2240

    • DOI

      10.1253/circj.CJ-20-0936

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Sirt7 Deficiency Attenuates Neointimal Formation Following Vascular Injury by Modulating Vascular Smooth Muscle Cell Proliferation2022

    • 著者名/発表者名
      木村 優一
    • 学会等名
      第86回 日本循環器学会学術総会
  • [学会発表] Sirt7 Deficiency Attenuates Neointimal Formation Following Vascular Injury by Modulating Vascular Smooth Muscle Cell Proliferation2021

    • 著者名/発表者名
      木村 優一
    • 学会等名
      第4回 日本循環器学会基礎研究フォーラム

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公開日: 2022-12-28  

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