本研究では臨床的に拡張型心筋症の診断に至った症例の心筋生検検体を用い、炎症細胞浸潤と臨床像の関連を検証した。 2015年から2019年に心筋生検を行った128例の臨床データおよび、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、樹状細胞、制御性Tリンパ球、MHCなどの染色と定量を行った。しかし臨床データと病理データとの間には、現段階では報告に足る有意義な関連を見出す事は出来ていない。臨床的拡張型心筋症の診断の多彩さ、また病理標本作成の条件・アーチファクトなどが問題だったと考える。本分野は他施設とも協力して多角的に検証を進めており、研究期間を過ぎてしまうが、本研究に関する解析と報告を進めたい。
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