研究実績の概要 |
本研究では、水素吸入により水素分子がどの様に脳梗塞部位に到達するかを明らかにすることを目的としている。この目的を達成するため、2018年度は主に、 ラットにおける脳内の水素濃度測定、シミュレーションを行うための設備及びソフトウエアの構築を行った。水素濃度の測定では、ラットの脳内に水素電極を挿 入し、経時的に水素濃度を測定することができた。しかし、ニードル型の水素電極を使用していたため、針の先端から根元までのどの部位で水素が測定されているか特定することが困難であった。従って、水素の測定部位を点として正確に把握することができず、気相からの距離と水素濃度の関係をプロットし水素が単純 拡散していることを証明するまでにはいたらなかった。しかし, 水素の分布の傾向として単純拡散と矛盾しない結果ではあった. 2019/4/3より海外留学しており, 2019年度より研究の中断を申請した. 帰国後にニードル型ではなく、先端のみで水素濃度を測定するプローブを使用し, 同様の実験を行う事で, 仮説を正確に検証する. シミュレーション環境の構築では、コンピュータを購入し、高性能のCPU (20 core), 大容量のメインメモリー (384 GB)の搭載を行った。シミュレーションソフトウエアとしては、OpenFOAMを利用するため, 構築したコンピュータにはLinux (Ubuntu 16.04)をインストールし、OpenFOAMのインストールも行った。簡単な流体力学のシミュレーションで本環境をテストし、成功した。構築したシミュレーションプラットフォームは帰国後すぐに研究を再開できるように, すぐに使用可能な状態で維持している.
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