研究課題/領域番号 |
18K15860
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白石 泰之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00752700)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心不全 / ウェアラブル端末 / Patient Reported Outcome / 医療者患者間ギャップ / 質問紙票 / 活動量 |
研究実績の概要 |
心不全患者、特に心不全入院を経験した患者は退院後も再入院を頻回に繰り返すことが多いが、その主たる原因の一つが不十分な患者教育(病状理解の乏しさによる治療アドヒアランス不良)であり、これを改善するには医療者・患者間の病状認識のギャップの評価および退院後の在宅活動の詳細なモニタリングが必要である。活動量などを測定できるウェアラブル端末は在宅での患者情報を簡便に収集可能であり、心不全診療への応用が期待されている。当研究の目的は入院を要した急性心不全生存退院被験者において、①退院後の在宅環境や社会サポートの評価、②質問紙票を用いた医療者・患者間の病状認識のギャップの評価、③在宅での症状やQoL・活動度のウェアラブル端末を用いた評価を行い、これら被験者情報とアウトカムとの関連を検証し、現状の心不全診療の課題を把握することである。
当研究の母体となる多施設合同急性心不全レジストリ(West Tokyo Heart Failure Registry 2)の登録者数は現在500人(2018年4月から2019年3月)とEDC(electronic data capturing system)上へのデータ入力は比較的順調に進んでおり、これら患者全例において前述の①在宅環境や社会サポートの状況につき今後詳細な検討を行う。②については現在100~150名程度で評価しており、こちらも今後詳細な検討を計画している。③在宅での症状やQoL・活動度については、ウェアラブル端末での評価を実施した被験者数はまだ十分でなく、引き続き被験者登録を継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者の登録数が当初の想定よりもやや少ないが、慶應義塾大学以外の施設での研究実施環境の整備に伴い、今後改善が期待できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
EDC上への被験者登録数が1000人に到達した段階で、基本情報や社会サポートなどの詳細内容の検討を行う。また、質問紙票を用いた医療者患者間の病状認識のギャップや患者QoLの評価についても、同様に解析検討を行う。ウェアラブル端末で評価した生体情報に関しては、被験者が30人に到達した段階で探索的な検討を行い、可能であれば重要項目を選定し、必要症例数の目安を把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施体制の調整に時間を要したため、ウェアラブル端末購入や人材雇用(臨床研究コーディネーター)にかかる支出がなかったが、今後体制の整備・確立によりこれらの費用に使用する予定である。
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