研究課題/領域番号 |
18K15862
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
末永 祐哉 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50811642)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 冠動脈疾患 / 心不全 / 予後 |
研究実績の概要 |
本研究は入院心不全患者における冠動脈カテーテル造影検査の意義、冠動脈疾患合併率、およびその予後に与える影響を調べるために前向き多施設レジストリを行う。まずは調査項目を決定するため、また、冠動脈カテーテル造影検査と心不全患者の予後を見積もる為に、既存の入院心不全レジストリであるREATLIY-AHFのデータを解析し、その効果を見積もることを行った。 1) REALITY-AHFの後ろ向き解析:1344人の患者が解析され、511人が入院中に冠動脈カテーテル検査を行っていた。冠動脈カテーテル検査を行った患者の行わなかった患者と比較したときの退院1年後の死亡に対するハザード比は単変量コックス比例ハザードモデルでハザード比0.30(p値<0.001)、他の予後因子で調節後もコックス比例ハザードモデルでハザード比0.45(p値<0.001)であった。感度分析にて行ったプロペンシティスコアマッチングにおいてもハザード比0.60(p値=0.04)であり同様の結果であったため、我々の仮説を支持する結果であり、かつハザード比を考慮しても現在の予定登録患者数で十分に仮説を検証できると考えられた。 2) 当レジストリの進捗 数回のミーティングを行い、試験における調査項目を最終決定した。その後現在主機関である順天堂大学の病院倫理委員会に提出し、承認されたため現在EDCの構築の最終段階である。同時に現在他の参加施設において倫理委員会にかかっている段階であり、通過し次第他施設でも患者登録を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたよりも調査項目の選定に時間がかかっていること、また血清サンプルの保存を行うかどうかについて議論があったこと等から当初考えていたよりも時間がかかっており、その結果EDCの構築と試験の開始が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
主機関の病院倫理委員会は通過しているため、今年度はできるだけ早期に患者登録を全参加施設で開始する予定である。具体的には、今年度中に参加全施設で1500例の登録完了を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来であれば今年度にEDC構築および運用に関する支払い、および研究計画の最終決定のために各施設を訪問する予定であったが、EDCの構築および運用が遅れているため、まだ支払いができていないため、次年度使用額が生じた。完成し次第今年度に支払いを行う予定である。
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