本研究において、心肥大抑制因子であるMtus1Aの発現制御について検討を行った。Mtus1Aは心臓においては心筋細胞特異的に発現し、ミトコンドリアに局在することがわかった。Mtus1Aの結合タンパクとしてImportin 7を同定し、Mtus1AはミトコンドリアにおいてImportin 7に結合し、リン酸化されたERKの核内輸送する阻害することで、心肥大抑制に関与することが示唆された。さらに、Mtus1の転写因子を調べたが、同定できなかった。重症心不全患者のゲノム解析や国内外のデータベースを用いて、Mtus1の遺伝子変異を調べたが、心不全の病態に関与する変異は確認できなかった。
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