研究課題
頸部頸動脈高度狭窄と心機能の関連は、未知の領域である。しかしながら、頸部頸動脈高度狭窄では頸動脈洞の圧受容器反射が低下することから、心機能や血圧変動に影響を及ぼすことが予想される。本研究は、頸部頸動脈高度狭窄のある患者において、頸動脈内膜剥離術を施行して頸動脈プラークを摘出することにより、交感神経機能、血圧変動、心機能が改善し、心不全治療につながることを証明することを目的としている。2019年3月時点で頸動脈内膜剥離術を施行された21例を対象として、術前後で頭部MRI、頸動脈超音波検査、MIBG心筋シンチグラフィ、24時間心電図、24時間血圧計等を用いて評価・解析を行った。MIBG心筋シンチグラフィ、24時間心電図で評価した心臓交感神経機能は、いずれも術後3か月の時点で有意に改善していた。心臓超音波検査を用いた解析では、左室収縮能は術後有意な変化はなかったが、左室拡張能、左房圧は術後に改善する傾向を認めた。血圧変動に関しては有意な改善は得られず、測定条件が変わったことが結果に影響を与えてしまった可能性を考えている。また、本研究は術前と術後3か月の時点を評価対象としているが、長期的な追跡も必要であると考えている。しかしながら、大半が他院へ紹介となるため、追跡困難なケースが多く、本研究のlimitationと考える。本研究成果については、2019年3月に日本循環器学会総会で報告し、現在論文作成中である。
3: やや遅れている
社会情勢に伴い2020年度は思うように進展しなかったが、対象症例はすでに集まっているので年度の早い段階で論文を完成したい。
2021年度中の論文アクセプトを考えている。
予定していた学会参加等のための旅費がコロナ禍の影響で執行できず、次年度使用額が生じた。
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Journal of Echocardiography
巻: - ページ: -
10.1007/s12574-021-00527-8