前年度に引き続きCCR4-NOT複合体構成因子であるRNase-Xに着目し、圧負荷心不全病態マウスモデルを用いて解析を進めた。次世代RNAシークエンスにて遺伝子発現解析を行ったところ、RNase-X欠損マウスの心臓では各種炎症性サイトカインの発現上昇が認められ、gene-Yの発現上昇が同定された。さらに、RNA in situ hybridization法(RNA scope)を用いてgene-Yの検出を行ったところ、野生型マウスに比較して圧負荷術後のRNase-X欠損マウスの心臓において、心筋細胞における発現上昇を認めた。これらの結果から、圧負荷心不全病態においてRNase-Xによってgene-Y遺伝子発現が制御され、心機能調節に寄与している可能性が示唆された。そこで、RNase-Xとgene-Yの二重遺伝子欠損マウスを作出し、圧負荷手術を施行したところ、二重欠損マウスにおいては心機能が維持され、心肥大が軽減していた。
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