心不全の基礎研究領域ではこれまでモデル動物を用いた研究が積み重ねられてきたが、従来の研究ではモデル動物とヒトの種差及び心不全の病態の差異が臨床応用における課題となってきた。研究者はこの課題を乗り越えるため、心不全モデル動物及びヒト心不全の両者において発現が著増する心臓ドパミン受容体に着目し、心筋細胞特異的遺伝子改変マウスの解析により同受容体が心不全時の致死的不整脈の発症に寄与していることを明らかとした。また、心不全患者のサンプル及び病歴の解析により、同受容体はヒトにおいても致死的不整脈の発症に寄与していることが示唆された。本研究は心不全患者の突然死を抑制する新規治療法の開発に繋がると考える。
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