研究実績の概要 |
ヒト皮下脂肪組織より単細胞分画SVFを分離し、FACSにて表面抗原CD271陽性ならびに陰性のサブセットに群分けを行った。更に低酸素培養を行うか否かで群分けを行い、それぞれ培養細胞株を樹立した。両者はspindle shapeで形態学的な差異は認められなかった。しかしコロニー形成アッセイ(20cell/cm2, ギムザ染色)において、CD271 陽性細胞は有意に高い増殖能を示した。各群の培養細胞でconditioned mediumを作成し、マグネットビーズを用いてエクソソームを分離し、フローサイトメトリー(CD63, TRSG101)ならびにELISA法でエクソソームの分離を確認した。内包されるmicro RNAについて解析を行った。現在、micro RNA arrayによる解析を試みている。 in vivo血管新生能の確認については、マウスに下肢虚血モデルを作成し、レーザードプラー血流計ならびに還流レクチンを用いた組織学的な手法により定量評価した。CD271陽性細胞の直接移植では、移植後2週間での評価において、低酸素群に限らず高いin vivo血管新生能を示した。CD271陰性細胞に比しておよそ2.5倍の新生血管数を認めた。 現在、micro RNAのarrayによりいくつかの血管新生micro RNA候補を選定し、その候補micro RNAの虚血下肢への投与について実験を検討している。
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