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2018 年度 実施状況報告書

デスモコリン2の遺伝子変異に起因する心筋症の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15890
研究機関山口大学

研究代表者

福田 昌和  山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (30815668)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードデスモコリン2
研究実績の概要

DSC2(G790Δ)KIマウスの作成、繁殖、genotypingに成功した。
作成したDSC2(G790Δ)KIマウスの表現型を確認するために経時的に心電図および心エコーを行った。また、テレメトリー植え込み下にVT誘発試験や運動負荷試験を施行した。しかしDSC2(G790Δ)KIマウスにおいて有意な不整脈の増加は認めなかった。施行後は心臓を摘出し、心臓の組織学的性状を光顕で検討した。組織性状は、HE, Azanの染色では大きな変化は認めなかった。心エコーによる計測でDSC2 KIマウスは特にホモマウスにおいて軽度の心拡大と収縮性の低下を認めた。
WTマウスおよびDSC2KIマウスの左室心筋細胞を単離し、共焦点レーザー顕微鏡を用いてCa2+ sparkを測定した。またion Optixのシステムを用いCa2+ transientとcell shorteningを解析した。DSC2(G790Δ)KIマウスではホモマウスにおいてややcell shorteningの低下が認められた。左室心筋のホモジネートからWestern blot法にてRyR2, SERCA, PLBの量とリン酸化レベル(RyR2, PLB)を調べた。その結果蛋白レベルでは大きな変化は認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目に計画したことは8割程度は完了した。

今後の研究の推進方策

1.DSC2結合型Ca2+制御蛋白の同定
左室心筋のホモジネートを溶解し、DSC2抗体にてpull downしSDS-PAGEで解析する。DSC2 KIマウスにて消失するバンドが検出されれば、膜に転写し、切り取ってトリプシン消化し、mass解析を行うことでDSC2の変異によりpull downされなくなったCa2+制御蛋白を同定する。申請者の仮説では、これはCa2+制御蛋白あるいはそのリン酸化、脱リン酸化酵素である可能性が高い。
2.ペプチドプローブによるDSC2とその結合蛋白連関への介入
DSC2抗体によるpull downで検出された蛋白とDSC2の連関がCa2+ハンドリングに重要な連関であるかを確認するため、DSC2の 変異部位(G790)を含んだ短いペプチドを合成する。合成したペプチドを蛋白導入キット BioPORTERを用いてWTの単離心筋導入し、生じる異常を解析する。合成ペプチドがnative domainと分子間競合して DSC2とその結合蛋白との間に連関障害を引き起こせば、変異部位は蛋白連関にとってcriticalであることとなり、 DSC2(G790Δ)KIマウスと類似した Ca2+ハンドリング異常をきたすことが予想される。
3.介在板蛋白質(デスモソーム関連蛋白、ギャップ結合蛋白)の組織学的検討を行う予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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