研究実績の概要 |
左室リバースリモデリング(LVRR)を予測する画像所見の検討を行うにあたり、当科に2017年6月~2019年12月までに心不全精査目的に入院し、心臓MRIとMIBGシンチグラフィーを撮像した連続症例110に対して各種画像所見の関連性を検討した。左室収縮能(LVEF)との関連は、MIBGシンチグラフィーにおけるLateH/M比と正の相関(p<0.0001), Washout rateと負の相関(p<0.0001)を認めたが、心臓MRIにおける遅延造影, T1 mapping値とは相関は認めなかった。 次に薬物治療(β遮断薬とACE阻害剤, ARB)によるLVRRの予測因子を検討するため、上記期間に入院したLVEFが40%未満の心不全症例(HFrEF)の中で、正常洞調律症例で、観察期間中に冠血行再建, 心臓再同期療法の導入が行われておらず、外来でβ遮断薬を漸増した連続14例を対象に検討を行った。1年後の心臓超音波検査でLVRRが得られた7例(50%)は有意に脈拍数が低値(HR:p 0.019),EF高値(HR 1.34 : p 0.014)、Late H/M比高値(HR 77.7 : p 0.027),Wasuout rate低値(HR 0.91 : p 0.023)であった。心臓MRI所見では遅延造影の重量%が低値、Native T1値低値例がLVRRを得られやすい傾向はあったものの有意差は得られなかった。
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