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2019 年度 実績報告書

自然リンパ球とマクロファージの相互作用に注目した動脈硬化の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15897
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

牛込 恵美 (白石恵美)  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80440890)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード自然リンパ球 / 動脈硬化 / 糖尿病 / 腸内細菌叢 / Dysbiosis / 慢性炎症 / 高塩分食
研究実績の概要

糖尿病合併症の進行予防は国家の医療財政上、最重要課題であり、糖尿病生命予後改善には、動脈硬化・大血管障害の予防が重要である。動脈硬化の病態として、硬化巣におけるマクロファージとヘルパーT細胞のかかわり、血管内皮障害の重要性は認識されているが、古典的獲得免疫概念のみでは動脈硬化病態制御は未だ困難である。本研究においては、自然免疫を担う自然リンパ球(Innate Lymphoid cell, ILC)に注目するため、獲得免疫系細胞が存在しないRag2欠損マウスを用いた。動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスと交配した二重欠損マウス(Rag2・ApoE 二重欠損マウス)においても、自然リンパ球がマクロファージと相互作用し、動脈硬化巣が形成された。ApoE欠損マウスでは動脈硬化発症のため、現代食のモデル食である高脂肪高ショ糖食が給仕されるが、これにより、腸内細菌叢の乱れ・Dysbiosisが発症し、腸管内においてすでに脂質の構成が障害されること、吸収された脂質が循環器を介して動脈硬化巣での脂質の構成に影響を与えることが明らかになった。このDysbiosisは、食事中の塩分濃度が上昇することでさらに障害されることが明らかになった。動脈硬化巣での飽和脂肪酸の増加、ω3系脂肪酸の減少は、1型自然リンパ球の増加、2型自然リンパ球の減少を介し、M1マクロファージの増加、M2マクロファージの減少をきたし、動脈硬化巣でのIFNγ・IL1βの発現上昇をきたして、動脈硬化巣での慢性炎症を促進していた。以上より、糖尿病並びに糖尿病合併症に腸内フローラからの腸内代謝産物が深く関与していることが示唆される。今後は、腸内フローラ調節作用を介した食品などに注目し、プレバイオティクス治療による動脈硬化抑制へとつなげていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高塩分食が腸内細菌叢のDysbiosisにより動脈硬化を発症する.2020

    • 著者名/発表者名
      ①木村智紀、芳村悠太、岡村拓郎、橋本善隆、千丸貴史、牛込恵美、濵口真英、山﨑真裕、福井道明.
    • 学会等名
      第63回日本糖尿病学会年次学術集会.

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公開日: 2021-01-27  

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