本邦における入浴関連死亡数は、交通事故死亡数を上回り、特に冬季・高齢者において増加する。しかし、入浴関連死の発生機序は十分に解明されておらず、家庭内入浴中の血圧・脈拍変化も明らかになっていない。 今回我々は地域住民を対象に実生活環境下の血圧・皮膚温を24時間反復測定することで、入浴中において浴槽入浴開始直後に自由行動下血圧がピークに達し、浴槽入浴開始から約15分間は脈拍が上昇し続けることを明らかにした。また、非入浴時と比較した浴槽入浴中の血圧・脈拍の変化を定量した。加えて、浴槽入浴中の皮膚温上昇が大きいほど、血圧・脈拍の上昇も大きいことを示した。
|