心房細動(AF)中の肺静脈(PV)や左房(LA)の興奮における秩序の有無を、複雑系解析手法を用いてAF中の局所電位を解析した。肺静脈隔離術(PVI)を施行したAF65例に対し、AF下に各PVとLA本体の局所電位を記録し、自己相関関数(ACF)、フラクタル次元(FD)を算出した。PVI後にAFが停止する群(停止群)と、持続群の2群に分類した。停止群は発作性AFの割合が高く、左上下PV電位は周期的なACFである頻度が高かった。つまりPVIでAFが根治する群はPVから秩序的興奮がみられた。また停止群のLA前・後壁のFDは、持続群より低値であり、FDによりLAリモデリングの定量評価が可能と考えられる。
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