腸内細菌の分解産物であるTMAは、肝臓で酸化されてTMAOとなり血中に放出される。TMAO値は、心不全患者の予後と相関することが報告されているが、本邦でのデータは乏しい。今回、急性心不全患者470例で入院時のTMAOを測定し、中央値で2群に分けて比較検討した。年齢、性別、Creatinine, BNP値に2群間で有意差を認めなかった。血中TMAO濃度は心エコーで推定された右房圧と良好な相関は見られず、左房圧上昇の推定値としてのE/e’との相関も見られなかった。また、入院時の血中TMAO濃度は死亡または再入院の複合エンドポイントにおける有意な予後規定因子とはならなかった。
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