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2019 年度 実施状況報告書

鳥関連過敏性肺炎の診断のための標準的検査方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K15920
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

白井 剛  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00796617)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード過敏性肺炎 / 鳥抗原 / 特異抗体
研究実績の概要

過敏性肺炎の一種である鳥関連過敏性肺炎は、ハトを含む鳥類のフンや羽毛の吸入により生じるが、血清中の鳥由来抗原に対する特異抗体の検出や、患者特異的な免疫応答を評価するための免疫学的検査は、これまでハトフンや血漿などの粗抗原を使用していたことから標準的な方法が存在しなかった。本研究は、申請者らが明らかにしたハトフン、血清に共通して含まれる原因抗原タンパクであるハトIGLL-1(Immunoglobulin lambda-like polypeptide-1)を標準化抗原とした、鳥関連過敏性肺炎の診断に寄与する検査方法の確立を目標としている。
過敏性肺炎の診断に際し、抗原に対する特異抗体の検出がスクリーニングとして最も有用であることから、まずsandwich ELISA法による血清中のハトIGLL-1に対する特異抗体(IgG)量の測定系を確立すべく、大腸菌発現系・哺乳動物細胞発現系を用いたハトIGLL-1のリコンビナントタンパク精製と抗ハトIGLL-1モノクローナル抗体の作製を進め、リコンビナントタンパク発現に成功した。精製したリコンビナントタンパクと抗体を用いて、患者、対象疾患患者、健常者で比較を行い、鳥関連過敏性肺炎診断の有用性について評価を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸菌発現系、哺乳動物細胞発現系でハトIGLL-1リコンビナントタンパクの精製に成功した。ハトIGLL-1リコンビナントタンパクに対する患者血清中の特異的IgG抗体のELISAによる検出系の確立を目指し検討を行っている。本学の医学部倫理審査委員会の承認を得、少数の患者血清を使用したpreliminaryな検討で、ハトIGLL-1リコンビナントタンパクに対する特異的IgG抗体が、鳥関連過敏性肺炎患者の血清中に検出されることを確認した。現在は対象疾患患者を含めて適切な固相化抗原量を検討するため、リコンビナントタンパクを安定的に大量精製できるような、手法の確立を検討している。

今後の研究の推進方策

引き続きハトIGLL-1リコンビナントタンパクに対する血清特異的IgG抗体の検出系の検討を行う。並行してハトIGLL-1リコンビナントタンパクを添加抗原とした患者末梢血単核球を用いたリンパ球刺激試験を行い、細胞性鳥関連過敏性肺炎の診断方法の確立をめざす。さらにリコンビナントタンパクを使った過敏性肺炎の疾患マウスモデルを作成し、過敏性肺炎の病態解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

大腸菌発現系・哺乳動物細胞発現系を使用したリコンビナントタンパクの精製に当初の想定よりも日数を要し未使用額が生じた。リコンビナントタンパクの安定的な精製が可能となり次第、モノクローナル抗体の作製、疾患モデルマウスの確立を検討する。

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公開日: 2021-01-27  

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