研究課題
過敏性肺炎の一種である鳥関連過敏性肺炎は、ハトを含む鳥類のフンや羽毛の吸入により生じるが、血清中の鳥由来抗原に対する特異抗体の検出や、患者特異的な免疫応答を評価するための免疫学的検査は、これまでハトフンや血漿などの粗抗原を使用していたことから標準的な方法が存在しなかった。過敏性肺炎の中でも慢性に肺の線維化を生じる病型では他の肺線維化を来す疾患との弁別が臨床経過や画像所見からは困難な場合が多く、過敏性肺炎の頻度高い原因抗原である鳥抗原への特異抗体の有無をスクリーニングすることが重要であり、国際的なガイドライン等でも明記されている。2017年に申請者らはハトフン、血清に共通して含まれる原因抗原タンパクであるハトIGLL-1(Immunoglobulin lambda-like polypeptide-1)を同定した。本研究はハトIGLL-1のリコンビナントタンパクを利用した、鳥関連過敏性肺炎のスクリーニング、診断に寄与する検査方法の確立を目標とした。今回の検討で哺乳動物細胞発現系を用いたハトIGLL-1のリコンビナントタンパクを抗原として固相化した、ImmunoCAP法によるヒト血清中のハトIGLL-1に対する特異抗体(IgG)量の測定系を確立した。確立した検査法の性能について、Preliminaryな検討として鳥関連過敏性肺炎患者 35例(急性型)、対象疾患患者30例比較を行ったところ、患者群で有意に抗体価が高値で(感度77%、特異度73%)、疾患のスクリーニング、診断に優れた性能を持つ可能性が示唆された。現在、慢性型30例、健常者80例について測定をすすめており、結果をまとめて論文化する予定である。
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