• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

ALK融合遺伝子陽性肺癌におけるアポトーシス抵抗性因子の解明と克服治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15922
研究機関金沢大学

研究代表者

谷本 梓  金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (90776444)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードALK / Noxa / Mcl-1 / Proteasome
研究実績の概要

TKI未治療ALK肺癌患者に対する選択的ALK-TKIであるalectinibの効果に対するTP53変異の影響は明らかではなかったため、日本最大の肺癌臨床ゲノムデータベースであるLC-SCRUM-Japanに登録されたALK肺癌症例を解析したところ、25% (31/124例) にTP53変異を認めた。また、TP53変異群が野生型群よりも一次治療のalectinibのPFSが有意に短かったことから、TP53変異が未治療ALK肺癌に対するALK-TKIの初期治療抵抗性へ関与することが示唆された。そして、ALK肺癌細胞株のTP53野生型CCL-185IG株に対しp53 の発現を抑制するとalectinibによるアポトーシスが減弱し、TP53がフレームシフト変異しているA925L 株に対し野生型p53 をレンチウィルスベクターにて導入するとアポトーシスが増強したことから、p53の活性がALK-TKIが誘導するアポトーシスに関与していることが再現された。さらに、Proteasome阻害薬ixazomibによってp53非依存的なアポトーシス促進タンパクであるNOXAを強く発現させることで、TP53変異を有するALK肺癌株であるA925L 株とH2228株のalectinibに対するアポトーシス抵抗性を解除することを見出した。同様に、A925L株を用いたin vivo実験でもixazomibとalectinibの併用効果が認められた。さらに、発現が上昇したNOXAがアポトーシス抑制蛋白であるMcl-1に結合することでアポトーシスを誘導していることが明らかになった。以上の結果が、2020年12月8日にClinical Cancer Research誌にacceptされた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Proteasome inhibition overcomes ALK-TKI resistance in ALK-rearranged/TP53 mutant NSCLC via Noxa expression.2021

    • 著者名/発表者名
      Tanimoto A, Matsumoto S, Takeuchi S, Arai S, Fukuda K, Nishiyama A, Yoh K, Ikeda T, Furuya N, Nishino K, Ohe Y, Goto K, Yano S.
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research

      巻: 27 ページ: 1410-1420

    • DOI

      10.1158/1078-0432.CCR-20-2853. Epub 2020 Dec 11.

    • 査読あり
  • [学会発表] ALK融合遺伝子陽性肺癌におけるp53の機能低下に起因するALK阻害薬耐性の新規克服治療の開発2020

    • 著者名/発表者名
      谷本 梓
    • 学会等名
      第86回日本呼吸器学会北陸地方会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi