交感神経の過活動は炎症、癌の進展と関連する。グレリンが交感神経活性を強力に抑制することに着目し、グレリンシグナルとARDSと肺癌の発生および増大との関連を検討した。LPS投与マウスにおいて、薬理量の過剰なグレリン投与は肺炎症を軽減した。その効果は迷走神経切断処置においても認められた。グレリン受容体欠損マウスでは、LPS投与による炎症が減弱化していた。内因性のグレリンと薬理量のグレリン投与による炎症シグナルへの効果が異なることが示唆された。内因性グレリンの欠損したマウスでは、ウレタン腹腔内投与による肺癌の発生が有意の増加していた。グレリンシグナルの欠損が肺癌の発癌に影響する可能性が示唆された。
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