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2019 年度 実施状況報告書

アデノ随伴ウイルスベクターを用いた肺線維症に対する遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15932
研究機関自治医科大学

研究代表者

黒崎 史朗  自治医科大学, 医学部, 講師 (60625705)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードAAVベクター / 肺線維症モデル / IL-10
研究実績の概要

肺線維症におけるIL-10の役割を解明するために、マウスモデルを用いて解析を行った。IL-10を効率よく肺に導入するために、AAVベクターにIL-10遺伝子を搭載させた。IL-10発現AAVベクターはHEK293細胞を用いてウイルスベクターを増殖させ、塩化セシウム密度匂配遠心法で精製した。肺線維症モデルはマウスの皮下にブレオマイシンを充填させた浸透圧ポンプを埋め込むことで作製した。誘導された肺線維症は肺切片をHE染色ならびにMasson's Trichrome染色を行って確認した。昨年度はIL-10発現AAVベクターをブレオマイシン肺線維症マウスに対して先行投与を行うことで予防効果を示したため、今年度はブレオマイシンをマウスに投与して2週間後に本治療ベクターをマウスの気管内に投与して治療効果を評価した。これまでの結果については、統計学的に有意差は示せなかったが、治療ベクターを投与した群の方が肺線維症を抑制している傾向が病理学的評価と生化学的評価で示された。生存率や体重変化については治療群の方が優れているという傾向は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ブレオマイシンをマウスに投与すると、2週間経過した時点で、マウスは体重減少をきたす。この時点でマウスに治療ベクターを投与すると、マウスを死に至らせてしまい、予定したサンプル数を確保できないという欠点がある。

今後の研究の推進方策

次年度はブレオマイシンを投与して体重減少から回復してくる3週間後、4週間後にIL-10発現AAVベクターを投与する条件を設定し、実験を行う。有効性の評価は先行研究で行った手法を主に用い、生存率、体重変化、線維化(組織学的評価ならびに生化学的解析)について評価していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究計画において、最も支出を要するものは組み換えAAVベクターの作製であるが、昨年度までの実験では追試をあまり要することなく実験が遂行できていたため、これまでのストックを消費することで対応できた。しかし、次年度は新たに実験計画を練り直す必要があり、組み換えAAVベクターの作製は必然的に必要となるため、それに伴う試薬や技術補佐の人員を確保して行うため、より多くの資金を要する見込みである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Progressive plasterer’s pneumoconiosis complicated by fibrotic interstitial pneumonia: a case report2019

    • 著者名/発表者名
      Kurosaki Fumio、Takemura Tamiko、Bando Masashi、Kuroki Tomonori、Numao Toshio、Moriyama Hiroshi、Hagiwara Koichi
    • 雑誌名

      BMC Pulmonary Medicine

      巻: 19 ページ: 6

    • DOI

      10.1186/s12890-018-0776-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ブレオマイシン誘発肺線維症におけるIL-10発現AAVベクターの線維化抑制効果2019

    • 著者名/発表者名
      黒崎史朗、内堀亮介、瀬原吉英、水上浩明、萩原弘一、久米晃啓
    • 学会等名
      第59回日本呼吸器学会学術講演会

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公開日: 2021-01-27  

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