肺動脈内膜摘除術で摘出した肺動脈内膜と器質化血栓を含む検体から単離した血管内皮細胞の増殖能が高く、テロメラーゼの構成要素であるTERTの発現が確認され、血管内皮細胞が血管リモデリングの細胞増殖を引き起こしていることが示唆された。また、増殖細胞中にCD31陽性CD45陽性細胞が認められ、骨髄由来の細胞の関与も示唆された。 一方で、CTEPH患者の末梢血のテロメア短縮と血行動態の重症度には有意な相関はなく、肺高血圧症を伴わないCTEDとCTEPHとの比較でもテロメア長に差はなかった。CTEPHでは肺動脈リモデリングにテロメア短縮や、老化細胞からの増殖因子様物質が関連していないと推測された。
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