ドレブリン測定における末梢血や癌性胸水の解析は困難であった。肺がんにおけるがん微小環境でのドレブリンの機能解析を行った。34名のStageⅠ―ⅢAの肺扁平上皮がん切除組織を用いて、蛍光免疫多重染色(CD3、サイトケラチン、ドレブリン、DAPI)を行った。解析ソフトを用いて、腫瘍と腫瘍間質、Tリンパ球を識別、腫瘍内Tリンパ球および腫瘍間質Tリンパ球のドレブリン発現を解析した。腫瘍内においてドレブリン陽性CD-3陽性Tリンパ球が多く存在する群は、有意に全生存期間が短く、無再発生存期間も短い傾向であった。肺扁平上皮がんにおいて腫瘍内ドレブリン陽性Tリンパ球が予後不良マーカーとして考えられた。
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