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2018 年度 実施状況報告書

NSAIDs内服で惹起される好酸球性炎症とPGE2/EP3遺伝子多型に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K15957
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

金子 美子  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30768825)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードSteven-Jhonson症候群 / 閉塞性細気管支炎 / 早期増悪型 / 慢性期進行型 / PGE2/EP3受容体
研究実績の概要

研究目的①として、稀少難病であるSJS/TEN慢性期における、難治性咳嗽を主とする呼吸器合併症の病態解明にむけて症例蓄積を行っている。患者集約はSJS患者会を通じて全国的に呼びかけ、現在までにSJS関連閉塞性細気管支炎(BO)症例は3例の病歴・臨床経過・画像情報が集約された。SJS関連BOは、発症早期増悪型と慢性期型の少なくとも2表現型があることが示唆されている。症例集約を通じて、SJS慢性期呼吸器併存症の背景には、SJSが薬剤アレルギーを起因としていることから、発症以後、感染増悪時にも適切な抗生剤加療が十分になされず、慢性気道感染を繰り返し生じそれによる病態の修飾が示唆された。現時点では、本年度も全国から複数例のSJS後呼吸器症状を持つ症例の診察を予定している。併せて前述の3例については、CT画像解析ソフト(3次元画像解析 Synapse Vincent)を用いて気道病変の形態学的検討を進めている。本件について2019年度日本呼吸器学会総会で発表した。2019/6月日本アレルギー学会総会シンポジウム発表を予定している。
研究目的②NSAIDS関連アスピリン誘発喘息との共通遺伝子検索については、NSAIDs及び感冒薬内服により発症した眼合併症を伴うSJS/TENにおいて、PGE2 / EP3受容体の遺伝子多型 PTGER3 rs1327464 GA/AAと強い関連がある報告を踏まえて、同遺伝子多型と周辺遺伝子多型についてのリプリケイトを予定している。現在共同研究施設でのアスピリン喘息患者集約を進めているが、まずは気管支喘息集団との関連を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題①について概ね順調に進んでいる。稀少難病であるため患者集約が困難であるが、患者会との連携により症例集約と臨床データ蓄積、画像解析が進行している。
研究課題②についてまずは気管支喘息集団での解析に着手した。アスピリン喘息集団での患者集約は引き続き継続している。

今後の研究の推進方策

稀少疾患であるSJSの呼吸器併存症集約については、皮膚科眼科を主体とした重症薬疹研究班が予定している全国実態調査に連携して呼吸器障害の有無についても調査できる見通しになり、更に症例集約が可能となる見通しである。これまでSJS関連呼吸器疾患の症例集約の既報はなく、同疾患は何らかの免疫学的異常を背景として生じていることが予想されるが、SJS実症例を用いた炎症性機構の解明にむけた検討が可能になる見通しである。喘息集団及びアスピリン喘息集団を対象としたPTGER3遺伝子多型解析も順次進める方針である。

次年度使用額が生じた理由

本年はSJS関連呼吸器併存症を持つ患者の集約に時間を要した。現在4名のSJS関連閉塞性細気管支炎患者の症例集約、および呼吸器症状を持つ患者の血液検査・喀痰好酸球検査等を合わせて実施しているが、次年度以降も引き続き行う予定である。併せてアスピリン喘息患者集約に時間を要しており、遺伝子解析に用いる試薬・輸送費・解析費用は次年度に繰り越すこととなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Stevens-Johnson症候群(SJS)呼吸器合併症の知られざる実態と当院で経験した重症閉塞性細気管支炎3症例から学ぶべきこと2019

    • 著者名/発表者名
      金子美子
    • 学会等名
      第59回日本呼吸器学会学術講演会
  • [備考] 京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学ホームページ 研究・業績

    • URL

      http://kokyu-kpum.com/study/

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公開日: 2019-12-27  

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