研究課題
若手研究
小細胞肺がんを典型とする肺神経内分泌腫瘍の代謝脆弱性を明らかにし、新規治療標的として開発することを目的として研究を行った。具体的には、NAD合成への代謝干渉の効果について検討した。特別に合成した新規NAD合成阻害剤を用いたマウス前臨床モデルでの検討の結果、この薬剤の治療有効性を確認することができた。単剤での使用において従来型抗がん剤であるシスプラチンを上回る成績が得られたほか、シスプラチンとNAD合成阻害との顕著な相乗効果もみとめられた。
呼吸器内科学、腫瘍学
小細胞肺がんの代謝ターゲット治療の有用性を、マウス前臨床モデルにて示した。肺がんの~15%を占める肺神経内分泌腫瘍(小細胞肺がんを含む)においては、腺癌の場合のような明確で標的化が可能なドライバー変異が存在しない。故に、これら難治肺がんに対しては、ドライバー変異以外の要素を創薬開発する戦略が求められている。これらの肺がんは、発見時には外科的治療のタイミングを逸していることが多く、その文脈でも、新たな分子標的治療を開発する意義は大きい。