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2019 年度 実施状況報告書

膠原病性肺高血圧症における炎症・組織リモデリングの解明に向けた免疫組織学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K15967
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

大郷 恵子  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (30601827)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肺高血圧症 / 炎症 / 膠原病 / 右心不全
研究実績の概要

肺動脈性肺高血圧症は、明らかな原因なく肺動脈圧・肺血管抵抗の高度の上昇が起こり、右心不全から死に至る厚労省の指定難病である。膠原病では高率に肺動脈性肺高血圧症の合併がみられるが、特発性肺動脈性肺高血圧症の特効薬である血管拡張薬に抵抗性を示し予後不良のため、病態の解明と新規治療の探索が急務である。予後不良の要因として、膠原病では組織学的に肺動脈のみならず肺静脈にも閉塞性病変がおよび易く、肺静脈閉塞症に類似する点があげられるているが その病態はよく調べられていない。さらに肺高血圧症の予後においては、上昇した肺動脈圧・肺血管抵抗に対して右室が適応しているかが重要な因子となるが、 これまで十分調べられていない。 本研究では肺高血圧症剖検例を用いて膠原病に伴う炎症のタイプ・組織リモデリングがどのように肺血管病変と心病変に関わっているか、組織学的及び免疫組織学的に多面的に評価することにより、治療戦略へつなげることが目的である。2019年度は、特に肺について、CD3, CD68, CD20などを含む複数の炎症細胞マーカーに対する免疫染色により各疾患群における浸潤細胞の特徴や分布について評価を行った。膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症では組織学的に、肺静脈閉塞症に類似する症例、肺動脈性肺高血圧症に類似する症例、両者が混在する症例を認めているが、免疫組織学的にも両者に類似する点を認めた。またテネイシンCの発現の亢進の状態や分布についても確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肺の免疫染色による検討が順調に進んでいる一方、心臓の免疫染色による検討が遅れているため、やや遅れているとの評価とした。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた所見から膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症では、組織学的及び免疫組織学的に肺静脈閉塞症と肺動脈性肺高血圧症の両者に類似する所見を認めており、さらに詳細な炎症細胞マーカーやサイトカインの免疫染色を行って特徴を明らかにしていく予定である。また同時に、心臓に関して右室リモデリングの程度や炎症の関与などについて、膠原病に関連する肺動脈性肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症、および肺静脈閉塞症において、類似点や相違点を見出していく。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は肺の免疫染色の実施・解析を中心に行ったが、ターゲットとしている抗体は多数あり基本的なものから順次行っているため未使用の予算や人件費が生じたこと、旅費が予定より少なかったことなどによる。2020年度は肺及び心臓に関してさらなる免疫染色による解析を行い、また元々計上していたデータ解析に使用するソフトウェアの購入を予定しているため、2019年度分と合わせて執行する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 肺高血圧症の病理2020

    • 著者名/発表者名
      大郷 恵子, 植田 初江, 大郷 剛
    • 雑誌名

      Heart View

      巻: 24 ページ: 213-220

  • [雑誌論文] 病理学および病理生物学2020

    • 著者名/発表者名
      大郷 恵子
    • 雑誌名

      呼吸器内科

      巻: 37 ページ: 220-226

  • [雑誌論文] 肺高血圧の病理を知る2019

    • 著者名/発表者名
      大郷 恵子
    • 雑誌名

      心エコー

      巻: 20 ページ: 998-1007

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公開日: 2021-01-27  

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