Aryl hydrocarbon receptor(AhR)は、ダイオキシンなどに代表される芳香族炭化水素の受容体であるが、近年免疫系における炎症の調節因子として重要な役割を持つことが明らかになってきた。一方、慢性腎臓病患者は既に1000万人を超え、透析患者数も増加の一途を辿っており、腎臓病はもはや国民病となっている。申請者らはこれまでにAhR経路の活性化が炎症性腸疾患において防御的な役割を果たすことを世界で初めて報告した。AhRは尿細管上皮細胞においても発現が確認されているものの、その役割については様々な報告があり明確になっていない。本研究ではこれまでの我々の成果を発展させ、AhR経路の活性化が尿細管間質の炎症を抑制するメカニズムを解明することを目的とする。現在、WTのC57BL/6Jおよび尿細管上皮細胞株のAhR活性をアゴニストを使用し確認する作業を進めている。
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