本邦におけるeGFR60未満の慢性腎臓病(CKD)患者は約1300万人に上るとされる。CKDの悪化により毎年約1万人に新規の透析導入が必要となっており、CKDの根治的治療の開発は急務である。本研究は芳香族炭化水素受容体(AhR)の活性化が持つ尿細管間質の炎症抑制作用を明らかにするものである。我々はC57BL/6Jマウスおよび培養尿細管上皮細胞を用いて、AhR経路を活性化した際の各種mRNAおよびタンパクの発現量に注目し検討を行った。AhRアゴニストの投与は腎臓でもAhR経路を活性化している可能性が示唆されたため現在その作用機序の解析を進めている。
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