研究課題
若手研究
2型糖尿病db/dbモデルマウスでは、高脂肪、高蛋白食負荷により腎臓の糸球体障害が進行した。これらの食餌への高食塩添加により糖尿病性腎臓病がさらに増悪し、高血圧をきたす可能性が示唆された。一方db/dbマウスにおけるConnective tissue growth factor (CTGF)の欠失により糖尿病性腎臓病の悪化は見られなかったものの、体重増加の抑制や糖代謝の改善に関与する可能性が示唆された。
腎臓病学
本研究成果により、マウスモデルにおいて高脂肪、高蛋白食負荷により糖尿病性腎臓病の糸球体障害が進行し、これらの食餌への高食塩添加により糖尿病性腎臓病がさらに増悪する可能性が示唆された。このことは実臨床において、糖尿病性腎臓病の進行予防の目的に塩分制限や蛋白制限などの食事療法を推奨する科学的根拠となると考えられ、糖尿病性腎臓病進行予防による透析導入の遅延、さらには医療費の削減に寄与することが期待される。さらにCTGFの抑制が、糖代謝そのものを改善させる可能性が示唆された。