腎組織の微細構造の変化は疾患の発症や進展に密接に関連している。本研究で我々は、ヒトおよび動物腎組織にエラスチカマッソン染色を施し超解像度顕微鏡を用いて観察したところ、ポドサイトの足突起や尿細管上皮細胞のミトコンドリアが描出できることを見出した。さらに、フーリエ変換を用いて各正常構造の破綻の程度の定量評価を行ったところ足突起の破綻の程度と尿蛋白量には良好な相関関係が得られた。同様の方法でミトコンドリア正常構造の障害の定量評価も可能であった。我々の方法は、腎組織の微細構造を簡便に定量評価することができるため個体毎のより詳細な病態把握に寄与する可能性があり、有用である。
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