研究課題/領域番号 |
18K15979
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
北川 正史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80644377)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マージナルドナー / 細動脈硝子化 / 尿酸 |
研究実績の概要 |
わが国ではMarginal donorからの移植が増加しており、ドナーの安全性の検証は必須である。ドナー適応は、年齢、腎機能、血圧、糖尿病などで判定されるが、尿酸値の評価は含まれていない。またこれら危険因子が腎組織へどのように寄与するかは十分検証されていない。2013~2017年に当院で施行された生体腎移植76例の移植時の臨床指標と、0h腎生検で評価した全節性硬化(GS)、細動脈硝子化(AH)、動脈硬化(AS)、尿細管間質病変(IF/TA)などの腎病理所見との関係と腎予後について検討した。結果は、年齢58±9歳、男性45%、BMI 23±3kg/m2、平均血圧92±11mmHg、HbA1c 5.7±0.5%、Cr 0.72±0.15mg/dl、eGFR 77±13mL/min/1.73m2、尿蛋白0.06±0.04g/日、HbA1c 5.6±0.5%、血清尿酸値(SUA)5.0±1.3(mg/dl)であった。それぞれの有病率は、高血圧33%、高尿酸血症12%、糖尿病12%であった。移植時のSUAは、AHと正相関し(r=0.259、p=0.035)、各種臨床指標で調整後もAHの規定因子であった(95%Cl,0.067-0.146;p<0.001)。AH indexと移植1年後のCrは正相関し(r=0.266、p=0.033)、腎病理所見で調整後もΔCrと有意な傾向が見られた(p=0.062)。各種臨床指標で調整したころ、SUAは移植後1年のCrの独立した規定因子であった(p<0.001)。以上から血清尿酸値は細動脈硝子化と関連し、ドナー腎の移植後1年の腎予後予測因子となりうる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドナー腎の組織評価に関しては、概ね計画通りに進行しているが、各種バイオマーカーを用いての検討がまだ十分には施行できていない。また組織学的には、傍糸球体毛細血管(PTC)評価ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
保存した血清・尿を用いて、ELISAにて各種バイオマーカーの測定を行い、腎組織との関連を統計学的に行う。組織学的には、傍糸球体毛細血管(PTC)評価を追加する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、各種ELISA kit購入がまだできておらず、次年度への持ち越しとなった。次年度に持ち越しになった額は、ELISA kitの購入を中心にあてる予定である。
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