本研究の目的であるAPE1発現プラスミドベクターを用いた遺伝子治療による有効性を評価するために、(1)APE1発現およびEGFP発現プラスミドベクター(コントロールベクター)の作製、(2)プラスミドベクターの経腎静脈投与法の確立、これらの2点を行った。(1)に関しては当初ヒト臍帯静脈内皮細胞から抽出したRNAを鋳型として合成したcDNAを用いてクローニングを行う予定であったが、予定を変更しマウス大腸がん細胞株から抽出したRNAを用いてクローニングを行った。DNAシーケンスを行いマウスAPE1の配列を確認した。またAPE1はNF-κBの活性を増強することが知られており、ルシフェラーゼアッセイを用いプラスミドの機能を評価した。APE1発現プラスミドはコントロールであるEGFP発現プラスミドと比べ、NF-κB活性を増強することを確認した。(2)に関しては、実際にこれらのプラスミドを経腎静脈投与を行い、免疫染色を用いてAPE1およびEGFPの発現を確認した。
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