研究課題/領域番号 |
18K15992
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
丸山 啓介 旭川医科大学, 大学病院, 客員助教 (30648324)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | APE1 / 抗酸化ストレス / 腎臓病 |
研究実績の概要 |
本研究の目的であるAPE1発現プラスミドベクターを用いた遺伝子治療による有効性を評価するために、慢性腎臓病モデルである片側尿管結紮(UUO)を行った腎臓にプラスミドベクターを投与した。EGFP発現プラスミドベクターを投与した腎臓(UUO-EGFP)と比べ、APE1発現プラスミドベクターを投与した腎臓(UUO-APE1)では、Sirius red染色およびαSMAによる免疫染色で評価した線維化の抑制、F4/80による免疫染色で評価した炎症反応の抑制、PAS染色で評価した尿細管障害の抑制、8-OHdGによる免疫染色で評価した酸化ストレスの抑制を認めた。これらの結果は、APE1発現プラスミドベクターがUUOによる腎障害を抑制することを示唆した。次にReal-time PCR法を用いて遺伝子発現を解析したところ、UUO-EGFPと比べ、UUO-APE1では、炎症性サイトカインであるIl6、Il1b、Tnf、Ifngなどの発現低下、尿細管障害マーカーであるLcn2およびHavcr1の発現低下を認めた。これらの結果は、APE1発現プラスミドベクターがUUOによる腎障害を抑制することを示唆した。3年目の2020年度は本学動物実験施設が本格運用が開始となったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による入室制限のある中、in vivo 実験を進め、さらなる解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度まで本学動物実験施設が改修工事を行い、SPF環境下でのin vivo実験の実施が不可能であったこと、また今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響による入室制限があったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在組織学的な解析を進めているが、mRNAアレイ解析も進め、酸化ストレス下の慢性腎臓病病態進展時における新規バイオマーカーおよび新規治療標的を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により実験施設への入室制限もあり、動物実験が予定通りに実施できなかったため。また、RNAシーケンス一式(使用機種 Illumina Novaseq 6000)1検体あたり8万円x12検体(Sham-EGFP/Sham-APE1/UUO-EGFP/UUO-APE1を各3検体、計96万円+消費税9.6万円=108.6万円)の解析を中心に使用予定である
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