慢性腎臓病は末期腎不全に至る危険率が高いのみならず、心血管疾患の独立した危険因子である。しかし、既存の治療法は腎不全の進展抑制には一定の効果を認めるが、決して十分とは言えず、新しい治療法の開発が重要な課題となっている。 我々は抗酸化ストレス作用を持つ多機能酵素であるApurinic/apyrimidinic endonuclease 1(APE1)に注目した。APE1を発現するプラスミドベクターを腎障害モデルマウスに投与したところ、コントロールと比べ、腎組織において線維化および炎症反応を有意に軽減することを明らかにした。したがって、APE1は腎保護的に作用することが明らかになった。
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