今年度は、腎除神経が電解質・体液バランスに伴う筋萎縮を抑制するメカニズムの解明、またマウス以外の種族や別の病態モデルでも同様の現象が起こるかを検討し、その基礎研究をもとに、主に高血圧・腎臓分野において学会発表した。また論文については現在作成中である。今年度の補助金は、主に上記の研究を遂行するための試薬・機器の購入費に当てられた。
(1) C57/B16J (B6) マウスでは、食塩負荷に伴って肝臓の尿素産生および体重減少が認められるが、腎除神経を行ったマウスでは、この現象が認められない。一方、B6マウスにおいて肝臓の交感神経を切断しても、食塩負荷に伴った肝臓の尿素産生および体重減少を抑制することができなかった。上記の結果から、腎除神経は肝臓の交感神経を介さずに、食塩負荷による肝臓の尿素産生および体重減少を抑制していることが分かった。 (2) Dahl食塩感受性ラットにおいて、腎除神経が食塩負荷に伴った体重減少を抑制することを確認した。
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