二次性高血圧症の一つである原発性アルドステロン症(PA)は、本態性高血圧との比較において、心血管系合併症のリスクが高いことが報告され、片側性病変に対する手術治療は良好な予後が得られているが、手術対象ではない両側性病変に対する薬物治療は心血管合併症の発症を完全には抑えきれていないとの報告が相次いでいる。本研究はこれまで実証されていなかったアルドステロン過剰による高血圧性臓器障害発症に女性ホルモンが関与していることを新たに示唆しており、PAにおいて女性ホルモンを標的とした新規治療アプローチにつながる可能性が大きいことから学術的、社会的に有意義な研究であると考える。
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