研究課題/領域番号 |
18K16013
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
門野 至 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20814578)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病腎症 / 運動療法 / 慢性腎臓病 |
研究実績の概要 |
我々は糖尿病状態の腎および心血管におけるミトコンドリア恒常性の調節機能の障害が“心腎連関”の形成に関与しているとの仮説のもと、腎および心血管保護効果の機序、つまり運動によって骨格筋から分泌されるミオカインが、腎および心血管に対して、ミトコンドリア恒常性の維持を介してその保護効果を有するかどうか、もしそうであれば、どのミオカインによるものなのかを明らかにすることを目的に研究している。 期間内に肥満2型糖尿病ラット (Wistar fatty rat)に最適化したトレッドミルにて運動負荷実験を行い、1 )運動によって分泌されるミオカインが腎および心血管保護を発揮するかを明らかにすること、2)ミトコンドリアの恒常性の維持(特にSirt3との関連)に寄与するミオカインを同定することを予定している。 現在、34週齢の雄性Wistar fatty rats(WF)に対する週3回、8週間の運動負荷実験に加え、週5日、8週間の群も追加し、両群において糖尿病腎において認められるミトコンドリア機能異常・恒常性の破綻がコントロール群と比較して改善しうるかを検証している。今年度中に合計26匹の飼育がすべて終了し、今後は腎臓の機能評価、腎臓内の酸化ストレス、さらには腎尿細管細胞内のミトコンドリアの解析をすすめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
我々は期間内に、34週齢の雄性Wistar fatty rats(WF)に対する週3回、8週間の運動負荷実験を行い、糖尿病腎において認められるミトコンドリア機能異常・恒常性の破綻が、コントロール群と比較して改善しうるかをまず明らかにする予定であった。現在はそれに加え、運動強度による比較のため、あらたに週5日、8週間の群も追加しており、運動群・コントロール群あわせ、今年度までに合計26匹の飼育を終了した。今後は、腎臓の機能評価、腎臓内の酸化ストレス、さらには腎尿細管細胞内のミトコンドリアの解析をすすめていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病腎における運動負荷の臓器保護効果を、ミトコンドリア恒常性やミオカインの観点から明らかにすることを目的とし、WFラットを用いた研究を継続する。臓器サンプル等の解析・検証をすすめ、問題点やさらに探究する点があれば追加の飼育を行う予定である。最終的には学会発表・論文化を通して広く報告を行っていく。
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