慢性腎臓病患者の尿中CADM1 shedding産物濃度測定結果と腎臓組織障害との関連性を127例の患者検体を用いて解析した。44例において健常者群と比較して尿中CADM1濃度の有意な上昇を確認した。病理組織学的な尿細管間質性病変(上皮変性、間質性炎症、および間質線維化)のスコアリング結果と尿中CADM1濃度との間に相関関係は示されなかった。しかし、病理組織学的スコアと腎機能(推定GFR値)の間には弱い逆相関(R2 = 0.292)が認められ、この傾向は尿中CADM1濃度が高い患者で顕著であったことから、尿中CADM1は慢性腎臓病の病勢を反映するバイオマーカーの一候補になりえると考える。
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