研究課題
重症型薬疹であるStevens-Johnson症候群・中毒性表皮壊死症の早期診断をするためのバイオマーカーを検索するため、通常型薬疹の患者血清に原因薬剤を添加した培養上澄を質量分析し、重症型のみに含まれるタンパク質を同定した。その後、定量プロテオミクスにより重症型の患者血清中のタンパク質の量を定量し、多いタンパク質から7個絞りこんだ。その後、実際の患者の血液中にどの程度、候補タンパク質が存在するか、ELISA法を用いて測定し、特異度の高いgalectin-7というタンパク質を同定した。これについて論文発表した(Natsumi H. et al,J Allergy Clin Immunol Pract. Nov-Dec 2019;7(8):2894-2897.e7. doi: 10.1016/j.jaip.2019.05.002. Epub 2019 May 14. )。
3: やや遅れている
研究目的の一部である重症薬疹のバイオマーカー候補のプロテオーム解析による探索は終了し、タンパク同定を行い、論文報告をしたものの、当初計画していた迅速測定キットの開発が未完成である。臨床応用をするための迅速診断キット作成のため準備中である。
今回同定したGalectin-7は重症型薬疹であるStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症のバイオマーカー候補として高いポテンシャルがある。しかし現状ではELISA法による同定しかできないため、臨床応用をする上ではまず、迅速診断キットを作成する必要がある。また、キット作成後には有効性の評価を行うために多数の検体による実証をすることが求められるため多施設での研究を要する。診断キット作成後には多施設による研究を立案したい。
研究の一部である迅速診断キット作成が遅れているため、次年度に計画を延長して行う。先だって同定したgalectin-7に関してStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症の早急な診断と治療に有用なイムノクロマトグラフィー法による迅速測定キットの開発を行う。作製したキット患者血清で実際に有用であるか確認する。
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J Allergy Clin Immunol Pract.
巻: 7 ページ: 2894-2897
10.1016/j.jaip.2019.05.002.
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2019/55942/