上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬は種々の悪性腫瘍の治療に頻用されるが、ざ瘡様皮疹などの皮膚症状を高率に生じる。しかし、薬疹発症機序については未だ不明な点が多い。本研究では、EGFR阻害薬が患者皮膚の自然免疫応答に及ぼす影響を検討することで、分子標的治療薬による皮膚障害の病態解明を目指した。その結果、EGFR阻害薬投与によりざ瘡様皮疹を生じた患者において、β-defensin-1、-3の産生量が有意に減少することが明らかになり、EGFR阻害薬によるβ-defensin産生抑制は、薬疹の病態形成に関与している可能性が示唆された。
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