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2021 年度 実績報告書

遺伝性色素異常症の遺伝子解析システムの確立およびゲノム編集技術を用いた機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K16046
研究機関山形大学

研究代表者

岡村 賢  山形大学, 医学部, 助教 (40637229)

研究期間 (年度) 2021-03-01 – 2022-03-31
キーワード遺伝性色素異常症 / 眼皮膚白皮症 / ターゲットシークエンス / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9
研究実績の概要

まず、次世代シークエンサー(NGS)を用いた網羅的な遺伝性色素異常症患者の遺伝子変異スクリーニングを、当該遺伝子群にターゲットを絞ることで効率的に解析する(ターゲットシークエンス)ことに成功した。これにより従来の方法で診断不能であった複数の患者において、これまで未報告もしくは非常に稀なサブタイプの診断に至った。さらに、全研究期間において約120家系の新規症例の遺伝子解析を行い、そのうち90家系を占める眼皮膚白皮症(OCA)疑い症例においては80%以上の確率で遺伝的に診断が確定し、さらに診断不能例のほとんどは、OCAと色白との境界領域であると判断することができた。
日本人第一例目となるOCA6型の症例に関しては、その患者の持つ新規ミスセンス変異に関して詳細な機能解析を行った。具体的には、CRISPR/Cas9システムを用いて、マウスにおいて相同の遺伝子変異を再現し、同変異が機能低下型の病的変異であることを証明した。さらに、主に最終年度においてOCA6の原因遺伝子であるSLC24A5の網膜色素上皮と神経堤由来の色素細胞(メラノサイト)のメラニン産生への貢献度について検討し、網膜色素上皮においてより顕著にメラニン産生能が低下することを見出した。これは、OCA6患者において皮膚や毛髪の色素低下が軽度にも関わらず、重症の眼症状を呈することの根拠となりうる。
最終年度は新規32症例について遺伝子解析を行い、そのほとんどで遺伝的に診断が確定した。特に、ADAM10の新規遺伝子変異によって発症した網状肢端色素沈着症の症例に関しては、その病態をより詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Novel AP3B1 mutations in a Hermansky-Pudlak syndrome type2 with neonatal interstitial lung disease2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuyuki Keigo、Ide Mizuki、Houjou Keishirou、Shima Saho、Tanaka Seiji、Watanabe Yoriko、Tomino Hiroyuki、Egashira Tomoko、Takayanagi Toshimitsu、Tashiro Katsuya、Okamura Ken、Suzuki Tamio、Miyamoto Takayuki、Shibata Hirofumi、Yasumi Takahiro、Nishikomori Ryuta
    • 雑誌名

      Pediatric Allergy and Immunology

      巻: 33 ページ: 1~4

    • DOI

      10.1111/pai.13748

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impact of a SLC24A5 variant on the retinal pigment epithelium of a Japanese patient with oculocutaneous albinism type 62021

    • 著者名/発表者名
      Saito Toru、Okamura Ken、Kosaki Rika、Wakamatsu Kazumasa、Ito Shosuke、Nakajima Osamu、Yamashita Hidetoshi、Hozumi Yutaka、Suzuki Tamio
    • 雑誌名

      Pigment Cell & Melanoma Research

      巻: 35 ページ: 212~219

    • DOI

      10.1111/pcmr.13024

    • 査読あり
  • [学会発表] Impact of a SLC24A5 novel mutation identified in the first Japanese patient with oculocutaneous albinism 6 on retinal pigment epithelium2021

    • 著者名/発表者名
      Toru Saito
    • 学会等名
      46th Annual Meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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