遺伝性色素異常症は、皮膚の色素低下や増強以外に症候性(他臓器に合併症を持つ)の場合がある。例えば、症候性眼皮膚白皮症の一つであるHermansky-Pudlak症候群の1型、4型では30歳以降に致死的な間質性肺炎の合併がほぼ必至であり、若年期の臨床所見から病型を推測するのは困難である。残念ながら未だ確立した治療法はないものの、遺伝子診断により今後来しうる合併症の予測が可能となり、個々の病型に応じた適切な患者さんへの指導やフォローアップが可能となる。 さらに、これら原因遺伝子の機能は未解明の部分が多く、その機能解明は、将来の根本的治療法に繋がる架け橋となりうる。
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