研究課題
若手研究
足底メラノーマと色素細胞母斑の検体を用いて、皮膚の厚さ、真皮の性状(主に弾性繊維の量と質)、メラノサイトの数などを、疾患ごと(メラノーマと色素細胞母斑)、病変の部位(踵とそれ例外)、患者年齢(高齢者と若年者)で比較した。高齢者のメラノーマでは真皮にエラスチカワンギーゾン染色で濃染する陽性物質の沈着が見られる症例があったが、定量的差異は検出できなかった。それ以外の項目でも有意な差は検出できなかった。
皮膚科
日本人に多く生じる足底メラノーマの病態解明は、新しい治療法の開発などに不可欠である。足底メラノーマが踵などの荷重部に好発することから、足底メラノーマに対する物理刺激の関与が強く示唆された。本研究では足底メラノーマの皮膚検体を解析し、高齢者のメラノーマでは真皮にエラスチカワンギーゾン染色で濃染する陽性物質の沈着があることを示した。永年の物理刺激により、足底真皮の性状が変化する可能性が示唆されたが、詳細な検討は今後の課題である。